税理士法人とどろき会計事務所
井上 恭輔
「条件は今よりいい会社。以上。」という、ある転職サイトのCM。一度はご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか。でも、「今よりいい」とは一体何でしょうか。何が今より良くなれば、人は満足して働けるのでしょうか。給料?やりがい?プライベート?家庭?キャリア?安定? 人それぞれで何を重視するかは異なるでしょう。
また、2017年9月24日の日本経済新聞に、『転職 経験・年齢不問に 「未経験者歓迎」募集の7割』という記事が掲載されていました。その内容は、「人手不足が一段と激しくなっているのを受け、人材を中途採用する際に経験や職歴、年齢などを「不問」にする企業が増えている。「即戦力」あっての中途採用のはずだが、有力転職サイトでは求人募集のおよそ7割が「未経験者」の受け入れをうたう。対象年齢も40~50歳まで伸びてきており、転職の敷居を思い切って取り払い、採用後の職務教育を手厚くすることで乗り切ろうと企業は必至だ。」というものでした。
確かに最近ではテレビCMや電車の車内広告等でも転職サイトの広告をよく見かけるようになりました。上述したCMを打っている「DODA」や「マイナビ転職」「リクナビNEXT」「エン転職」「ビズリーチ」等々、それぞれ有名なタレントを起用し広告を打っています。エンジャパンが8月9日に発表した18年3月期の連結純利益予想は前期比34%増の53億円で、2期連続の過去最高を見込んでいるとのことでした。人手不足を背景に転職サイトが好調のようです。これらのことからも今の時代は転職することが当たりまえの時代だと言えるかもしれません。企業は優秀な人材の流出を防ぐ施策を講じることが必要になります。
とどろき会計事務所でも、優秀な人材を確保するために、今よりいい条件で働けるよう「賃上げ」「時短」「在宅勤務」等、様々な施策を講じています。会計事務所は残業が多く激務で、給与水準が低いためよくブラックだと言われます。そのためか近年では税理士試験の受験者数も年々減っており、就職説明会では求職者よりも参加する会計事務所のほうが多いなんてこともあり、人材獲得競争はますます過熱していくと考えられています。
国内外の景気回復が堅調なことに加えて、人手不足感が強まり、これからも1人の求職者に複数の企業が集中する「売り手市場」が続くと考えられます。企業が成長していくためにはその企業にマッチした人材の確保が必要となりますが、新卒も中途も採用するのが難しい今、人材の流出を防ぐ施策を一緒に考えていきましょう。