「音楽」と「働く」

税理士法人とどろき会計事務所
千葉 雅司

 私事ではありますが、毎年暮れの時期になると大学時代の吹奏楽仲間たちと都内で集まるのが恒例となっております。普段は同期中心で、単なるぐだぐだの飲み会なのですが、昨年の暮れはひょんなことから多くの後輩たちとも久々に再会しまして、当時の演奏会ビデオ(当時はVHSでした。)を持ち寄り、鑑賞会を行ったりして、大いに盛り上がりました。 そんなことで当時、音楽に打ち込んでいた記憶がいろいろ蘇ってきました。

私が担当していた楽器はフルートとピッコロという横笛楽器でして、初心者同然で入った私は、当初、音はうまく出ない、指は全く回らない、で散々なものでした。
漢字で「音楽」は「音」を「楽」しむと書きますが、そういう風に思えるようになるまではずいぶん時間を要したものです。
また、私が一番打ち込んだ分野にマーチングドリルというものがありました。
最近ですと、「笑ってコラえて吹奏楽の旅」でマーチングの特集をご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。ステージ上で次々とフォーメーションを変えながら演奏する姿に感動し、大学吹奏楽連盟選抜のドリル隊を2期務めさせていただきました。
この選抜隊のステージは直前2週間で一気に仕上げるので、ほとんど合宿となるのですが、合宿期間中、布団で寝た記憶が全くなく、竹刀の気合い入れで練習を続けるという過酷なものでした。(合宿完了の一時帰宅のことを“下界に戻る”とよく言っていました。)
正直練習中はしんど過ぎてどうしようもないのですが、いざ、本番のステージの幕が上がると、スタンディングオベーション付きの大歓声が迎えてくれるのです。これは他の通常の演奏では味わえないマーチングドリルの特権で、これが中毒の原因となってしまうのですが、 観客の方々が「音」を「楽」しんでもらっているということが最も実感できる瞬間でありました。

これと似た話だなと感じたことに、「働く」の意味という話があります。
「働く」という言葉は周りの人(はた)を楽にするということなのだそうです。反対の言葉は「はた迷惑」。
他には「仕事」という言葉もありますが、こちらは「事にお仕えする」と書きます。言い換えると、「喜ばれる存在になることに、わが身をお仕えさせる」ということ。おもしろいことに、仕事に関するいくつかの言葉の語源は、共通して、「喜ばれる存在になる」ことを示すと。
もちろん仕事には報酬がつきものですし、綺麗ごとで済む話だけではありません。が、その本質として「自分がいかに喜ばれる存在になるか」と言うことを忘れてはいけないんだ、ということを再確認できた年末年始となりました。

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