税理士法人とどろき会計事務所

山本 英司

 

春になると真新しいスーツを着た新入社員を街のあちこちで見かけることが出来ます。二十数年前には自分も同じ感じだったかなと年々薄れゆく記憶に時の流れを感じます。就職活動では、面接の度に、「あなたの長所短所を教えてください」と聞かれたことは今でもハッキリと覚えています。社会人になった今、「あなたの会社の強みは何ですか?」と聞かれるようになりました。今も昔も意外と自分のことをよく分かっていないなぁとつくづく感じています。

 

なんとなく「ウチの強みは◯◯だろう」と目星はつくのだけど、それが本当に強みなのか自信がない。そう感じる方もいらっしゃるのではないかと思います。中には、これだ!と確信した強みが、まったく違っていたってこともあるかと思います。

なぜ間違っているのか。

その一番の原因は、主観的に「〜だろう」と推測しているからだと思います。「裏付けがなく勝手に想像している」わけです。これまでの経験で「なんとなくそう感じる」といった程度なので、自信をもって打ち出すことができないのです。

「強みやウリは自分で探さない」「お客さんに教えてもらう」これがいちばん確実な方法です。

 

では、どうやってお客さんに聞けばいいのか。

「同じような商品・サービスがある中で、なぜ当社に決めていただいたのですか?」

つまり、決め手を聞きます。世の中の商品やサービスは、どれも似たり寄ったりです。でも顧客は比較検討し購入を決定します。そこには確実に「選ばれる理由」があります。「選ばれる理由=強み」になります。強みは必ずしもひとつとは限りません。

 

 ある経営者の方が「世の中に完璧な商品やサービスなんてないよ。実際に一つの商品やサービスが市場を独占することはないから」と教えてくれました。どんなに優れた大企業にも弱点は存在します。逆に、中小企業であっても市場で生き残っているからには何らかの「強み=選ばれる理由」があるはずです。あらためて自社の強みについて考えてみてはどうでしょうか。