税理士法人とどろき会計事務所

新居 義太郎

 

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う二回目の緊急事態宣言が解除されましたが、4月に入り感染者数の増加はとどまるところを知らず、まん延防止等重点措置が各地で適用されることが決定されはじめた今この記事を書いております。本来4月といえば年度の切り替わりの時季であり、通勤の電車内にもおろし立てのスーツや鞄を身にまとう方の姿をよく見かけます。皆様の会社も学校を卒業されたばかりの方や転職された方が続々と入社されているのではないでしょうか。

 

 今回述べさせていただくのは、今後どのような方針で新しい人材を採用し、教育していくかということです。

 まず採用フェーズで重視すべき点は、高いポテンシャルを持つ人、会社の理念に共感できる人を採用するということです。どちらもない人は篩にかけ、雇わないという選択肢を持つことです。特に重視すべきは、会社の理念(≒トップの信条)に共感できる人であるか否かであり、教育の大前提と言えます。

 次に教育ですが、従業員に会社の理念や方向性を理解・浸透させることです。日々のミーティングや報告書等、会社が必要としていることをやり続けることです。これからの教育の鍵はやり方を先行するのではなく、在り方を先行させた育成ではないでしょうか。業務をこなすためではなく、理念共有や組織人としてしっかりできるようになるための教育です。

 更に教育は組織の成長に合わせた体制を取ることも重要です。トップの代行ができるような幹部社員の育成を行えば、経営者の将来の時間が確保でき新たな分野での挑戦も可能になるでしょう。また、組織が大きくなれば、総務人事といった間接部門にも力を注ぐことが必要になります。特に人事に、先の流れで成長した会社の理念に共感する人材が就くことで、その後の採用教育も同様の流れが生まれるのではないでしょうか。

 

 コロナウイルスの影響で、採用を見送る会社も多く、さらには規模縮小に伴い優秀な人材を止む無く手放すような会社もあります。在野には皆さんの想像よりも優秀な人材が多くいるのではないでしょうか。人の採用・教育はお金も時間も多大にかかる先行投資です。しかし、会社を『膨張』ではなく『拡大』するためには、採用・教育の見直しが必要であると考えます。