Q. 税務調査とは何ですか?

税務調査とは、納税者の申告内容が適正なものかどうかを確認するために行われる調査のことです。

法人税や所得税など税金の多くは、納税者自らが税金の計算を行い、会社や住まいの地域を管轄する税務署に申告・納税する申告納税制度をとっています。納税者がもれなく適正に申告・納付をしていれば問題はありませんが、計算ミスや規定の誤った解釈、中には故意に不正を行うことにより適正な申告・納税が行われないケースもあります。そのため、申告内容に誤りがないか確認することを目的として行われるのが税務調査です。

税務調査は、法人税を対象としたものは年間約25,000件、個人の所得税を対象としたものは年間約19,000件行われています。(※実地調査、令和2事務年度)

新型コロナウイルスの感染拡大により、件数は拡大前の1/3ほどとなっています。

特に、下記に該当する会社は税務調査の対象となる可能性が高くなります。

  • 売上が大きく伸びた会社
  • 海外取引が多い会社
  • 世間の注目度が高い業種・会社
  • 同業他社と比較して利益率の低い会社
  • 給与と外注費、交際費と広告宣伝費など、相関性の高い科目の金額が大きく変動した会社
  • 貸倒損失や退職金など、経常的に発生しない経費が多額に計上されている会社

なお、税務調査の通知が来たとしても、それは不正を疑われているということを意味するものではありません。
過度に恐れることなく、適切に準備し、対応することが重要となります。

通常、税務調査は過去3期分までさかのぼって行われます。場合によっては5期分、7期分までさかのぼるケースもあります。
そのような特性上、設立1、2期目の会社に税務調査が入ることはほとんどありません。

税務調査の際は、国税通則法等により、税務調査官には納税者に対して金額の算出根拠について聞き取りをしたり、帳簿や領収書などの資料を閲覧したりする権限が与えられています。

一方で調査を受けている納税者側は、質問への回答や資料の提出の義務があり、黙秘や拒絶をすることはできません。また、調査の妨害行為をした場合は懲役や罰金の対象となります。

 税務調査の結果、申告が必要であったにも関わらず申告をしていなかった場合や、申告内容に誤りがあると判断された場合には、申告や修正申告を求められることとなります。その際は、延滞税や過少申告加算税などのペナルティー(罰金)を支払わなければならない場合があるので注意が必要です。

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