Q. 法人成りのメリット・デメリットを教えてください。
事業を開始する場合に個人事業主として開業する、初めから法人を設立する、若しくは個人で事業を開始しその後法人化する等判断に迷う場合もあるかと思います。ここでは法人成りのメリット・デメリットを記載します。
メリット
- 所得分散及び税率抑制による節税。
親族を役員にして役員報酬を支給し、法人、ご本人、ご家族に所得を分散することで節税が可能となります。
また、所得税と住民税は最大で合計55％の税率になりますが、法人化により代表者への役員報酬が給与所得となることで税率を抑える等の節税も可能になります。
- 法人名義で保険に加入することで節税・利益の繰延べが可能に。
個人契約による生命保険料は必要経費になりません。
一方、法人契約の場合には経費計上が可能なものもあります。
従業員への福利厚生としての加入や、将来の大規模修繕のための資金としての積立て等選択の幅が広がります。
- 役員退職金の支給
個人事業主の場合はそもそも退職金を支給することはできませんが、法人であれば退職金を経費として支給することが可能です。
デメリット
- 社会保険加入の義務
法人の場合社会保険は強制加入となります。そのため法人としての負担が増加します。
- 法人設立時の費用負担（登記費用等20～30万円程）
法人設立には定款の作成や公証役場での認証、法務局での登記等の手続きが必要になります。その際、登録免許税等の費用として数十万が必要になります。
- 法人住民税の負担（東京都であれば年間7万円～）
法人は赤字の場合でも必ず法人住民税が課されます。
