2023年2月号(No.242)

 2022年12月号(No.240)の続きです。

 M&Aの話は日常茶飯事になった感があります。ある業者からは毎日のように15件~20件程度のM&A案件(これらは全て売り案件)がメールで送られてくると既報で記しました。この内容、弊社内部でも信じ難いとの認識だったので弊社内部に毎日のようにこのメールを転送しています。

 そして、今では弊社ではこの認識が当たり前になっていて、担当者が顧客へM&A(買い案件、売り案件)を進めています。一例では、好調な業績の会社が人手不足解消の決めてとしてのM&A(買い手)を推進する、と聞きました。確かに業績は好調でも、中小企業に人材が集まり難いのは事実です。業務拡大と人材の確保という一石二鳥を狙ったM&A(買い手)の取組みです。

 さて、12月号では赤字会社・債務超過会社のM&Aのメリットを記しました。

ここでは、黒字会社のM&A(売り手側)のメリットを記していきます。(買い手側については割愛します。)

黒字会社のM&A(売り手側)のメリットは

➀黒字会社でも後継者難はあります。また従業員もいます。ですから、後継者難の解消、従業員の雇用の確保ができる。

②社長自身も売った後も社員として働ける。(一般に一年以上は会社に残る場合がほとんどです。)

③今の企業価値に将来の収益価値も加味されるので高く売れる。

④退職金も受け取れる。

⑤株式譲渡の場合には、税率も低いので税金が安く済む。

⑥連帯保証人や自宅物件の担保からも外れる。

⑦経営責任からも解放される。  

⑧もし、解散などの場合には、機械等の処分など多くの煩わしさがあるが、それらがない。     など

※もしデメリットがあるとしたら、

従業員から身売りしたと思われる。従業員と立場が同じになる、など精神的な面が多いかと思います。