Q. 棚卸資産について教えてください。

仕入れた商品のうち期末に残った分が在庫として棚卸資産となります。

卸売業や小売業などでは、販売するために商品を購入することを仕入れといいます。これに対して製造業では、製造原価のことをいいます。製造原価には製品を作るための原材料や部品、工場で働く人の人件費、工場の光熱費まで、製品をつくるのに必要なものすべてを含んでいます。また、商品や製品を購入したらそれをすべて仕入れとして計上できるわけではありません。仕入れは売上げに対応しているので、売れたものは仕入れとして計上できますが、期末に残った分は仕入れではなく「在庫」として棚卸資産になります。

(1)棚卸資産の評価方法

棚卸資産の評価方法には二つの方法があります。

低価法
原価法と期末時点の時価を比べてきて、低い方で評価する方法です。

原価法
在庫となった製品や商品を購入した価格、すなわち原価で評価するやり方で、一般的につかわれている方法です。

※評価方法の届出を提出しない場合は「最終仕入原価法による原価法」となります。

(2)原価法による評価方法

原価法による評価方法には、6つの方法があります。

どの方法を採用するのかは、会社が任意に選ぶことができます。どの評価方法にするのかを決めたら、あらかじめ税務署に「棚卸資産の評価方法の届出書」を提出します。この届出を提出しない場合は、最終仕入れ原価法を採用したものとみなされます。

  1. 個別法・・・個々の資産ごとの取得価額を期末評価額とする方法
  2. 先入先出法・・・先に仕入れたものから先に売れたと考え、最も新しいものが期末に 残っているものとして期末評価額を計算する方法
  3. 総平均法・・・期首の棚卸資産と当期仕入高の平均単価で期末評価額を計算する方法
  4. 移動平均法・・・仕入れのつど平均単価を算定し直し期末評価額を計算する方法
  5. 最終仕入原価法・・・期末直近の仕入(最終仕入)単価で期末評価額を計算する方法
  6. 売価還元法・・・期末棚卸資産の売価に原価率をかけて期末評価額を計算する方法

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