税理士法人とどろき会計事務所
橋本 崇浩

 終わりが見えず長引くこのコロナ禍において、大きな影響を受けたビジネスとして、主に飲食業・イベント業・旅行業などが挙げられると思いますが、今回は旅行業とりわけインバウンド関連について考えてみたいと思います。

 日本を訪れた外国人観光客(インバウンド)数は、2013年に初めて年間1,000万人を超えましたが、その後コロナ騒動が始まる前の2019年までどんどん増え続け、2019年には年間3,188万人を記録しました。その間、中国人の「爆買い」が大きな話題を呼んだこともありましたが、今ではだいぶ古い話のように感じられます。その後コロナが始まり2020年は415万人と激減し、現在はそのままほぼストップの状態となっています。日本は観光立国宣言を掲げ、実際に数が伸びてきていただけに、この分野を専業としてビジネス展開していた方も多く、インバウンドが0になる。というその影響はあまりに大きいと言わざるを得ません。

 そんな中、先日、コロナ収束後訪れたい国として「日本が第1位」である。というニュース記事を見ました。これは「DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査(第2回 新型コロナ影響度 特別調査)」という政策投資銀行と日本交通公社の共同アンケートの結果だそうですが、アジア圏・欧米豪圏の両方で日本が1位でありその人気の高さが覗えます。日本が評価された理由として「食事が美味しい」「清潔である」「治安が良い」がいずれのエリアからも高評価であったということでしたが、これはビジネスとして今後に期待できる久しぶりの明るいニュースでした。

 2年以上も経ちコロナは収束に向かうのか、まだまだ形を変え続いていくのか本当に不透明な状況です。更に追い打ちをかけるようにヨーロッパでは紛争も発生し、原油高・物価高など様々なところで影響が出始めています。自分たちのお客様も影響を受け始めています。

 これから本当の意味で世界が落ち着きを取り戻し、また外国人観光客の溢れる第1位の日本に戻ってきてほしいですが、取り戻した時に多くのビジネスチャンスを得るために、インバウンド関連のお客様については、今はとにかく踏ん張ってもらい、然るべき時に向け万全の準備をしてほしいところです。もう少しもう少しと言い2年以上が経ってしまいましたが、先行きはまだまだ不透明、多くの人々が世界を飛び回るのはもう少し先になりそうな気がしています。