税理士法人とどろき会計事務所
古川 美陽光

 先日、BGM代わりにテレビを付けていたら、「銚子電鉄にユニークな駅名が誕生」というニュースが流れてきました。私は、高校生の時に銚子電鉄で通学をしていたので思わず見入ってしまいました。そこで今回は銚子電鉄に関連し、ネーミングライツについて取り上げさせていただきます。

ネーミングライツとは、訳すと『施設命名権』です。日本で最初の導入は「味の素スタジアム(旧 東京スタジアム)」とのことで、購入企業はもちろん「味の素(株)」です。
銚子電鉄駅名ネーミングライツの権利は ①駅名駅舎看板及び駅名ホーム看板 ②車内案内放送 ③車内案内表示 ④銚子電鉄発行時刻表などへの掲載 ⑤更新時の優先交渉権 とされ、駅ごとにそれぞれ100万円~200万円の1年契約で販売されました。銚子駅以外の9駅を販売し、2月11日に「ありがとう」(外川駅)が誕生し、全ての駅名が決まりました。

今回、銚子電鉄の駅名の中で最も話題となったのが「髪毛黒生(かみのけくろはえ)」(笠上黒生駅)です。笠上黒生駅のネーミングライツ購入企業は、育毛用のスカルプフォーマットシャンプーで知られる(株)メソケアプラスです。本来であれば広告宣伝の為に、企業名や商品名を付けることが多いのですが、(株)メソケアプラスは、「多くの人に興味を持っていただくきっかけになれば」と敢えてこの「かみのけくろはえ駅」にしたそうです。
車内放送では、ネーミングライツの駅名と本来の駅名がセットとなり「つぎは、かみのけくろはえ かさがみくろはえ」と流れるそうです。こんな車内アナウンスがあったら多くの方が「えっ!?(笑)」となってしましますよね。
駅名の他にも、毛髪に良いとされる本物の昆布を使って、実際に使用可能な記念入場券切符を笠上黒生駅の窓口で限定販売するなど話題を呼びました。

今回の「髪毛黒生駅」のネーミングライツ取得は、ネットやニュースでも取り上げられています。マスメディアの影響力を考えると、笠上黒生駅の名前を活かしたことにより、企業名や商品名を駅名として使用した場合よりも、広告宣伝としてはとても大きな対価を得ることができたのではないでしょうか?
広告宣伝は、どのビジネスにおいても必要不可欠ですが、ホームページやDM、口コミなど、その種類は多岐に渡ります。銚子電鉄の経営再建への協力と広告宣伝、チャンスはどこにでもあるようです。ただそのチャンスを見つけることが難しいのですが。
今回紹介させていただいた『ネーミングライツ』。ご興味のある方は、ネットで検索してみてください。新たな発見があるかもしれません。