税理士法人とどろき会計事務所
伊藤 将英

 今回は、最近ご相談を受けることが多くなった相続税について触れていきたいと思います。理由として考えられるのは、2015年の税制改正による相続税の大幅な増税や不動産価格の上昇、株価の回復で資産価値が増えた等が考えられます。
特に税制改正による相続税の大幅な増税については、基礎控除が「5,000万円+(1,000万円×法定相続人の数)」から「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」になり6割に縮小されました。
国税庁によると15年中に亡くなった人のうち、相続税を納めた遺族がいる人数は10万3043人に上り、前年の5万6239人から83.2%も増え、実際に相続税を納めた人(申告書の記載人数ベース)で見ると、前年より10万人増えて23万人に、また各種控除などで税金の支払いはないが申告した人が前年より1万3000人増えて3万人に増加したということです。

 

このことから、以前よりも明らかに相続税の申告が必要な方が増えており、事前の対策が必要になると思います。そのためには、どんな財産がいくら位あるのか現状を把握することが大事かと思います。そうすることで、相続税がいくら位になるのか把握できますし、納税資金の準備や事前の対策も練ることができます。

 

代表的な事前の対策として、Ⅰ.生前贈与の活用 Ⅱ.生命保険の活用などがあります。

Ⅰ.生前贈与について
一般贈与(目的:相続税の節税対策、財産の前渡し・年間110万円まで非課税)や相続時精算課税制度(目的:大きな買い物をする子と孫の支援・累計2500万円まで非課税)、住宅資金贈与(目的:マイホームの新築、中古住宅の購入や増改築)などがあり目的によって選ぶことが大切です。

Ⅱ.生命保険について
生命保険の活用のメリットとしては、①「500万円×法定相続人の数」の非課税枠があること②死亡保険金が現金で支払われるので納税資金に充てることができること③受取人を指定できるので、亡くなった人の思いを反映することができること などがあげられます。

上記にもありましたが、事前の準備や対策が大事かと思いますので、お困りの方がいらっしゃいましたら、各担当者までご相談下さい。