税理士法人とどろき会計事務所

藤井一平

 

 昨年年末に公表された「令和3年度税制改正大綱」の内容について気になる内容がございました。

 

 贈与税についての内容で暦年贈与(1月1日から12月31日まで)と呼ばれるもので、贈与の金額のうち、110万円までは税金をかけませんよ、という制度が無くなる方向で、検討がされているというものでした。

 

 今までは毎年110万円までであれば税金がかからないので、相続が発生した時の相続財産の金額を減らすことができ、合法的に相続税の納税額を減らすことができました。ただ、現行法でも相続が発生した日から3年以内の贈与額に関しては、相続財産に含めるとされておりますので、仮に15年間毎年110万円ずつ贈与した場合は1,650万円の財産を移動させることができますが、相続が発生した日から3年以内分は相続税の対象になるので、実質1,320万円が無税で贈与することが出来ました。

 

 今回の税制改正大綱によると、この110万円の控除の制度が廃止されるか、もしくは相続発生から3年間遡って相続財産に含めるという年数が、諸外国並み(イギリス7年、フランス15年等々)になる可能性も出てきました。

 

 基本的に税制改正大綱で出た内容は始まる時期の早い遅いはございますが、ほとんどの場合そのまま法律の改正が行われ、施行されることが多いです。その他についても「相続税と贈与税の一体化」について言及されており、遅かれ早かれ改正が行われていく方向になっております。

 

 相続対策としては今までとは違う形での対応が必要となってくる場合もございますので、より早い段階での対応と準備が必要になってきます。

 

 ご興味のある方はぜひ担当者へご相談ください。