税理士法人とどろき会計事務所

新居 義太郎

 

 昨年『なぜ紙をなくすのか』というタイトルでペーパーレス化の意義と弊社での動向を述べさせていただきました。今回は現在の状況と、ペーパーレス実現のための具体的な方策についてご報告させていただきます。

 

 弊社ではスタッフにロッカーが割り当てられていますが、昨年末よりそのスペースが半分になりました。これは昨年の夏頃に予告されており、各スタッフはお客様からお預かりした資料をどうするか腐心していました。入力の終わった月次の資料や、過年度の年末調整時の扶養控除申告書や控除証明書を添付した保険料控除申告書等をまとめたファイル等、本来お客様にお返しすべき書類をそのまま保持しているケースが見受けられました。扶養控除申告書等は年末調整で使用した翌年の1月10日の翌日から7年間の保存が義務付けられており、帳簿書類と同じくお客様に保管していただく必要があります。特に月次の資料に言えることですが、『後で見返す必要があるかもしれない、資料を再度用意していただくのは気が引ける…』といった意識が働くように思います。つまるところ紙媒体への依存心が抜けておらず、手元に置くことで安心を得るのです。改善すべきはこの点で、見返す必要のある書類はPDFにして紙では残さないという意識付けが必要です。

 

 会計帳簿や決算書、請求書や領収書といった証憑書類を法人のお客様は10年間、個人のお客様は7年間の保存をお願いしております。この年数の書類はかなりの量になると思います。1998年に制定された『電子帳簿保存法』は、証憑書類の電子保管を認めた法律で、現状様々な要件を満たす必要があります。今後の税制改正で使い勝手がよくなることが期待されます。新たな改正が入り次第アナウンスいたします。

 

 また、弊社ではお客様の給与計算・勤怠管理を電子化できるツールの提供を予定しております。紙のタイムカードを廃し、1台のPCやタブレットで出退勤の記録を取るツールになります。こちらの情報もお客様へアナウンスさせていただきますので、導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

 

 電子マネー決済等、様々な日常シーンで電子化が進んでいます。この流れに取り残されないよう情報収集と実践は欠かさないようにしたいものです。