税理士法人とどろき会計事務所

伊藤 将英

 

今回は、最近ご相談を受けることが多くなった生命保険の活用について触れていきたいと思います。

 

決算月の数ヶ月前に対策

決算対策として支出を増やす際は、必ずしも支払った費用をそのまま法人の利益から引けるというわけではありません。減価償却資産等の多額の支出があっても費用になるのは耐用年数に従ってその年度に対応する部分しか費用にはなりません。その点においては生命保険の節税効果は高く、保険の種類によりますが、支払った保険料のうち最大で全額を損金にできます。大きな黒字が見込めそうな会社は、生命保険の見直しや新規加入によって税負担の軽減が図れます。

決算対策として保険を活用する際は、保障内容や支払保険料等を考慮し、会社の実状に合った商品を選ぶための時間が必要となりますので、担当者と法人の利益状況を確認して決算月の数ヶ月前から対策をする必要があります。商品を決定し、その後に法人契約を結び、保険料を振り込めば、支払いの時点で前払い分を損金に算入することができますが、保険会社の審査が通らなかったら別の保険への加入を再検討するための時間を確保するためにも早めの対策が必要となります。

 

解約金の受取時の対策

保険金や解約返戻金を必ず受け取れる保険は、掛け捨ての保険とは違い、会社にのちのち益金をもたらすことになります。受け取り金は法人税の課税対象となりますので、受け取る時期に向けて何の対策もしていないと結局は税金が課されてしまいます。益金と損金と相殺できるように、退職金の支払いや大きな設備投資等の計画を事前に考えておく必要があります。

 

資金調達にも使えます

生命保険に加入すると節税以外のメリットとして事業資金が足りなくなった場合の備えになるという点があります。会社の業績が悪くなり資金調達が必要になった会社は、保険を解約することで解約返戻金を受け取ることができます。また、解約しなくても契約者貸付として資金を受け取ることも可能となります。

 

上記にもありましたが、事前の準備や対策が大事かと思いますので、お困りの方がいらっしゃいましたら、各担当者までご相談下さい。