税理士法人とどろき会計事務所

藤井一平

 令和5年は10月から適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス制度)の開始もあり、一般の方々にとって、例年以上に税金についてのニュースや記事を多く目にした年になったと思います。

 個人事業主の方は毎年3月15日に確定申告をして、年間の税金を計算して納付をいたしますが、会社勤めの方々、いわゆるサラリーマンやOLにとっての税金は、毎月の給料支払時に天引きされていることもあり、消費税が最も身近な税金という認識ではないでしょうか。

 しかしながら、実は毎月の給料支払い時に徴収される税金(所得税)が個人の負担する税金の中で身近なものになります。なお、毎月の所得税は概算計算での徴収ですので、1年の最後に年間分の収入額を合計し、税金を再計算する必要があります。

会社勤めの方が3月15日に確定申告をする代わりに、お勤めの会社で年間の税金を計算してくれる制度が「年末調整」と言われるものになります。

年末調整をすると、概算で計算していた税金が多かった場合、「還付」という形で返金されるので、12月の給料は普段より手取り額が多いなと、感じる方もいらっしゃると思います。

年末調整の際に必要な資料

 ・生命保険料控除 10月頃から加入されている生命保険会社から送付される「控除証明書」

 ・地震保険料控除 損害保険会社から送付される「控除証明書」

 ・社会保険料控除 国民年金、国民年金基金から「社会保険料控除証明書」

         国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料の「支払金額」

         iDeCo等の掛け金の「小規模企業共済等掛金払込証明書」

 ・住宅ローン控除 借入している金融機関から送付される「年末時点の残高証明書」

         「住宅ローン控除申告書」(初年度に確定申告した後に税務署から送付)

 ・年の途中に転職等で、年末時点在職の会社で年末調整を受ける方 「給与所得の源泉徴収票」

 上記、資料を年末調整をする勤め先に提出して、税額の計算をしてもらう必要がございます。

 なお、医療費を多額に支払った方や、ふるさと納税などの寄付金がある方(ワンストップ特例制度を利用の方は除く)は別途、確定申告をして税金の還付請求をすることが出来ます。

 会社勤めの方にとっての実は身近な税金である、所得税の計算に必要な資料となりますので、事前に準備して漏れの無いようにしましょう。