クリニックが納める消費税は、どの様に計算されますか。

Q. クリニックが納める消費税は、どの様に計算されますか。

消費税の計算方法は、「原則課税方式」と「簡易課税方式」の二種類があります。

2期前もしくは2年前(以下基準期間)の自費診療報酬等の収入(消費税が課税となる収入)が1,000万円以上あるクリニックには、消費税を納税する義務があります。

消費税は、自費診療報酬等で受け取った消費税から、薬品仕入等で支払った消費税を控除し、その差額を納税します。これを「原則課税方式」と言います。

ただし、社会保険や国民健康保険を利用した保険診療については消費税がかかりません。その代わり、薬品仕入等で支払った消費税のうち保険診療に対応した部分(総売上に占める割合)については、消費税の計算上、控除が認められていません。

基準期間の自費診療報酬等の収入が5,000万円以下であれば、「簡易課税方式」を選択することができます。
簡易課税方式では、消費税を計算するうえで、薬品仕入等で実際に支払った消費税を控除するのではなく、自費診療報酬等の収入に「みなし仕入率」を乗じた金額に対する消費税を、支払った消費税とみなして、受け取った消費税から控除することになります。

みなし仕入率は、支払った消費税を概算計算するため、収入の内容を把握する必要があり、収入の種類によって40%から90%までの6種類に区分されています。

クリニックの経費の大きな割合を占める人件費(給与・賞与・社会保険料)には消費税がかからないため、原則課税方式よりも簡易課税方式の方が有利になる傾向にあります。ただし、簡易課税方式を選択する場合には、事前に税務署へ届出を行う必要や、2年間は原則課税方式に変更することができないことなど、自由に選択できるわけではないため注意が必要です。

消費税の計算は、保険診療と自由診療の割合等の様々な要因で有利不利が変わることもありますので、まずは、会計事務所などの専門家に消費税について相談すると良いでしょう。

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