リアルと繋がるデジタル

税理士法人とどろき会計事務所
金 優賢

 昨今、「ユビキタス・コンピューティング」を具体化した概念として、「IoT」に注目が集まっています。
そもそも、「IoT:Internet of Things(モノのインターネット)」という言葉は、英国技術者であるケビン・アシュトン氏がその名前を初めて使ったとされています。
彼はRFID(電波を使って物品や人物を自動的に識別するための技術全般)タグやセンサーの研究者であり、上記のIoTという言葉は「インターネットとリアルの世界とが、あまねく設置されたセンサーを介して接続されたシステム」を表現したものです。
前例として挙げました「RFID」は、RFIDタグと呼ばれるバーコードのようなものを広範囲に、かつ一度で大量に読み込むことができるようにしたもので、その効率性はバーコードとは比較にならず、アパレル業界では株式会社ビームスが導入した所、棚卸しのコストが1/30にまでなったと発表されています。
米ゼネラル・エレクトリックでは、航空機エンジンの状況を常にモニタリングすることで、より精密で詳細なメンテナンス状況の把握と時間的コストの圧縮を可能にしています。
他にも、3Dプリンターの登場によって、モノづくりにおいて肝とも言える”原型”を、遠隔地であっても短時間かつ低コストでやり取りできる可能性が生まれ、つい最近では、ゲームアプリ:ポケモンGOのAR(拡張現実)機能が、仮想世界(デジタル)と現実世界(リアル)を結びつける一例となり、「AR集客」の可能性に期待が集まっています。
そして、そこに「人工知能」の技術が加わることで、これまで空想であった非常識が、常識としての現実へと変わってきているのです。
今はデータ収集と管理、その利用がメインとなっていますが、別の観点から立った時、そこにはまた別の利用法が生まれるのは間違いありません。そして、技術はそこからまたさらなる発展を遂げる。
そう考えれば、我々は今、新たな産業革命の瞬間に立ち会っているとも言えるでしょう。

ただ、技術の大きな発展をコインの表側とするならば、その裏側に付き纏う問題もあります。
「インターネット」とは、どこまで行っても公共のものです。一度電子の海に流れてしまったものは、口にした言葉と同じようにどう足掻いても取り消すことはできません。加えて、電子の情報というものは、現実の言葉と同様に、悪意あるものによって捻じ曲げられる危険性を孕んでいます。
それはつまり、セキュリティの問題と言えますが、IoTが提唱する「ありとあらゆるモノがインターネットと接続する」世界において、決して無視できるものでないことは、言うまでもないでしょう。
仮想も、現実も、抱えるリスクは結局同じです。IoTがもたらすのはあくまで、我々が現在認識しているこの世界の”拡大・拡張”に他ならないのです。
最終的には、IoTの発展によって、我々の体そのものがインターネットと繋がる未来が訪れるのかもしれません。映画「マトリックス」のような世界が、現実になり得るのかもしれないのです。そこには一種のロマンティシズムを感じずに入られませんが、同時にそうなった世界がどうなるのか、恐くもあります。

FinTecもそうですが、IoT共々、我々の”生活”に浸透し始めたのはここ数年のことです。
発展途上であるこれらの技術と概念は、これから益々、勢い強く発展していくことでしょう。
その情報量は膨大で、一度に知ろうと思えば目眩を覚える程です。ですから、まずは身近な点に目を向けて、時代の潮流に乗ってみてはいかがでしょうか。
その先に、浪漫溢れる未来を夢見、そこから新たな発見をすることは、きっと皆様の活力となるはずです。

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