税理士法人とどろき会計事務所
稲田 泰行

 突然ですが、皆さんは日常の生活においてイヤホンを使うことはありますでしょうか。
私は通勤で電車を使うので、イヤホンが手放せません。今回はそんなイヤホンに関するお話です。

先日、日経電子版を見ていた際、偶然目に留まったものがありました。
以下、要約したものを記載します。

『昨今のイヤホンは、耳の穴の中にイヤーピースを差し込むカナル型(耳栓型)が大半。
これには、大きな弱点もある。「外耳道」という耳の穴をふさいでしまい「サシスセソ」の声の子音がキンキンするような、ストレスを感じる音になりがちになる。

このカナル型の弱点を克服し、キンキンした音をなくしたイヤホンがある。元ソニーの技術者の山岸氏が立ち上げた、「音茶楽(おちゃらく)」という小さなメーカーの製品だ。

「会社を辞めて落ち着いた時間がとれたという山岸氏はカナル型イヤホンのキンキンとした音をなくせるトルネード・イコライザー技術を開発し、特許を取得する。「ソニーで働いていた1982年当時にイヤホンの音響回路を開発、特許出願をしたんですね。実は今、他社で作られているオープン型イヤホンも、同じ考えの回路が使われています。イヤホンの定番となる技術を自分で発明できたという経緯があって、トルネード・イコライザーの開発も何とかなるかなと思いました」 』

今回の記事は、山岸氏が大企業での経験・知識を自信とし、退社後、一個人として大きな組織の力を借りずにイノベーションを起こした一例です。

幣事務所でも昨今イノベーションに関する話題が幾度となく出ています。
ご紹介した件は確かな技術力に裏打ちされたものですが、山岸氏もたった一人で全く新しい技術に挑戦したわけです。

なにも、人並み外れた革新的な行動、発明がイノベーションではありません。
今回の記事がみなさんの周りに起きる小さなイノベーションのきっかけとなれば幸いです。