税理士法人とどろき会計事務所
井上 恭輔
ついに2015年3月14日、東京-金沢間を結ぶ北陸新幹線が開業します。
そこで今回はこの北陸新幹線の開業効果についてお話したいと思います。
北陸新幹線は、上信越・北陸地方を経由して東京から大阪までを結ぶ計画の整備新幹線です。現在は東京-長野間(通称:長野新幹線)が部分開業しており、来る2015年3月14日には長野-金沢間が開業します。さらに2023年には金沢-敦賀間が開業する予定です。
北陸新幹線の開業まであと1ヶ月となった2月14日、開業日の指定席の切符が全国一斉に発売され、一番列車の切符は僅か25秒というスピードで完売したというニュースがでていました。このニュースからも北陸新幹線の開業が大変多くの人の関心を寄せていることが分かるかと思います。
では、実際に首都圏と直結することに伴う石川、富山両県の経済効果について、東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県からの観光、ビジネスの旅行客は石川では年間約32万人増え、波及効果は宿泊費や飲食費などを合わせて約124億円。富山では旅行客は約21万人増え、波及効果は約88億円との試算がなされています。さらにビジネスにおいては首都圏への販売ルートの拡大や輸送能力の増加、企業進出による雇用増大などの産業の活性化が見込まれます。
しかしながら、上記で述べたようなプラス面での効果ばかりではありません。
マイナス面として、購買客の首都圏への流出(ストロー効果)、通過型観光の増加や宿泊数の減少、企業の支店・営業所の統廃合の増加などがあげられます。特に今回の北陸新幹線のような人の移動の構造を大きく変えてしまうインフラ整備があったときはストロー効果が話題になりますが、その地域に人を集めるだけの魅力があるのかどうかがストロー現象により衰退しないための重要なポイントになってくるのではないかと思います。
北陸新幹線の開業により、各方面に様々な影響があると思います。これをビジネスチャンスととらえるかどうかは人それぞれですが、チャンスがあると思ったら動いてみるのも面白くなるのではないでしょうか。