税理士法人とどろき会計事務所
古川 美陽光
2001年から開始した個人型確定拠出年金、通称iDeCo(イデコ)ですが、2017年1月から加入対象者の範囲が広がり、新たに加入された方も多いのではないでしょうか?
iDeCoの主な加入目的は老後の資産形成ですが、一番のメリットは何と言ってもその節税効果です。掛け金の運用は自分自身で行うことになりますが、運用益は非課税となり、その掛け金は全額所得控除の対象になります。小規模企業共済とも併用ができるので、個人事業主や会社役員の方にとっては、さらに魅力的な制度だと思います。受け取り方法は、年金方式と一時金方式のどちらかを選択することになりますが、どちらにしても、税制上の優遇措置があります。
掛け金の拠出方法は、昨年までは月払いしかできなかったのですが、2018年から半年払いや年払いなどの年単位拠出が可能となりました。(但し、前納はできません。)
年単位拠出のメリット・デメリットは下記の通りですので、定期預金などで運用されている方は、メリットを最大限に活かす事が可能です。
【メリット】
・年払い制度を使うと手数料が年間で1,133円節約できます。
・ボーナス時期に増額することも可能になり、柔軟な拠出計画を立てる事ができます。
【デメリット】
・投資信託で運用している場合には、ドルコスト平均法が活かせなくなります。
・年単位で拠出する場合には、事前に拠出の年間計画を提出する必要があります。
先日、“65歳以上の女性が初めて2千万人を超えた”というニュースを見ました。総務省が9/16に発表した推計人口によると、70歳以上の人口は前年比100万人増の2,618万人で、総人口に占める割合が初めて2割を超えたようです。人生100年時代と言われるなか、公的年金だけでは不安という方は、早めの資産形成が重要になってくるかと思います。iDeCoは国民年金や厚生年金と組み合わせることで、より豊かな老後生活を送るための資産形成方法のひとつとして活用できます。
しかし、iDeCoは私的“年金”ですので、原則60歳まで引き出しができません。「運用したい資金はあるけれども60歳まで引き出せないのは不安だな…」という方は、自由に引き出し可能なNISAなどの制度もあります。2018年からは、つみたてNISAも始まりました。NISAは定期預金などの元本確保型の商品はありませんが、運用益が非課税になる点ではiDeCoと同じです。
人それぞれ、資産形成の目的により運用方法は異なりますが、ご興味がある方は一度ご検討されてみてはいかがでしょうか。