税理士法人とどろき会計事務所
新居 義太郎
新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
今回は昨年秋頃から新聞、ニュース等で目にする『年収の壁』についてお話させていただきます。年収の壁には、税金に関わる壁、社会保険に関わる壁、配偶者の収入に関わる壁があるとされています。
税金に関わる壁は、本人に住民税の支払が発生する100万円の壁(自治体によって変動有)、所得税の支払が発生する103万円の壁と、配偶者の税金(配偶者控除及び配偶者特別控除)に影響する150万円の壁と201万円の壁があります。
社会保険に関わる壁は、会社の規模や働く時間等に応じて社会保険料の支払が発生する106万円の壁と130万円の壁があります。106万円の壁は、昨年10月から従業員51人以上の会社にも適用が拡大されています。
最後に配偶者の収入に関わる壁ですが、配偶者の勤務先の給与で家族手当や扶養手当が設定されている場合の受給の可否のことを指します。
社会保険の壁を越えると、健康保険・厚生年金保険への加入が必要になり、将来の給付は増えるものの、約15%の負担が生じ手取り収入が減少することになります。最低賃金が年々増加することもあり、社会保険の加入義務が生じないように働くことを控え、人手不足に拍車をかけています。当然雇用する側の社会保険料の負担も増えるため、どのように働いてもらうかに頭を悩まされている事業主の方も多いのではないでしょうか。
また、昨秋からとある政党が、所得税の支払が発生する壁を103万円から178万円に引き上げる案を提案しています。この原稿を作成している時点(2024年12月16日)ではどうなるか不透明ですが、所得税の壁が引き上げられた場合、社会保険の壁も連動して変わっていくことが予想されます。
昨今の物価高騰もあり、働いてお金を稼がないといけないのは、人も企業も同様です。今後の税制の動静は担当者から案内させていただきますので、お気軽にご相談いただけると幸いです。