Q. 診療所の開業を考えていますが、すぐに医療法人として開業することはできますか?
個人診療所の開設をしないですぐに医療法人を設立することは法的に禁止されてはいませんが、都道府県によっては個人診療所の開設及び診療実績を求められることもあります。開設予定の都道府県により異なりますので確認が必要です。
東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の1都3県については、個人診療所として2年程度の実績を要求される自治体がほとんどになります。東京都・さいたま市は、医療法人設立許可を受けるのに個人診療所の実績は要求されておりませんが、実際には自治体の指導が入り実績なしでの許認可を得ることは困難で、最低でも半年程度の個人診療所での実績を求められます。
医療法人化した後は、事業廃業がしづらくなるため、医療法人の経営が長期安定的にできることが必要になります。実績がない場合には、医療法人が永続的に運営できる証明を示さなければなりません。また、医療法第45条1項第41条医療法施行規則第30条の34で診療所の業務を行うために「必要な施設、設備又は資金」を有するか否かが認可の審査の対象とされますので、具体的には下記の資料が必要となります。
- 3ヵ年分の事業計画書
- 予算収入の証明(診療圏調査・予約表)
- 2か月分の運転資金があることの証明(残高証明)
- 診療所建物を所有又は賃貸借契約書
- 内装・設備の工事契約、医療機器の売買契約、リース契約書等
医療法人の申請時に、すぐに診療所を運営できる状態にしなければならないこと。許認可がおりて、法人として開業ができるまでに約6~9カ月かかり、また、許認可が棄却されることが多いことを考えると、個人診療所を運営しながらの、医療法人の設立申請をおすすめします。