税理士法人とどろき会計事務所
東 昌伸
今年も所得税の確定申告時期が終了致しました。所得税の納税額は皆様の所得状況などにより増減しますが、事業所得で利益が右肩上がりのお客様の中には、想像以上の納税額に驚かれた方もいらっしゃったのではないでしょうか。
そんな中、この時期は納税負担が大きい個人事業主のお客様から「法人成り」についての質問を頂く機会が増えております。「法人成り」とは個人事業主の方が会社を設立し、その会社で社長として、今までの事業を行っていくことをいいます。そんな「法人成り」の主なメリット・デメリットは下記の通りです。
◇メリット
①消費税が最大2年間免除になる可能性があります。
②ご自身に対する給与が経費になります。
※報酬は毎月同額であること、賞与は事前に税務署への届出が要件となります。
③個人の所得税の税率は、所得が高くなるごとに税率も高くなる「累進税率」ですが、法人の場合は所得の大小に関わらず一定税率のため、高所得の方は法人成りをした方が税金が有利になる可能性があります。
※軽減税率の適用がある法人は、所得のうち年800万円を超える部分は税率が異なります。
④対外的な信用力が高くなり、銀行融資などが有利になる可能性があります。
◇デメリット
①設立費用が必要となります。
②交際費のうち年800万円を超える部分は税金計算上、経費になりません。
③法人の場合、在職者数が社長1名であっても社会保険の加入義務があります。
※個人事業主の場合は従業員が5名以上の場合に社会保険の加入義務があります。
④ご自身に対する給与の源泉徴収義務が発生します。
弊社ではこれまで、納税負担が大きいお客様を中心に法人成りのサポートをさせて頂き、納税額が軽減した事例が数多くございました。
消費税や所得税の納税負担にお悩みのお客様は、今一度法人成りについてご検討されてみてはいかがでしょうか。