
新井 大慶
2026年1月より、いわゆる「下請法」は中小受託取引適正化法(取適法)としてルールが見
直され、外注・委託取引における適正化が強化されています。 本ご案内では、発注側・受注側いずれのお客様にも関係する「まず押さえるべきポイント」を、要点のみ簡潔にまとめます。
1. 「全業種一律」ではなく、取引ごとに適用が決まります
取適法は、業種で一律に決まるのではなく、取引の実態により、
(1) 委託取引に当たるか、(2) 取引類型、(3) 当事者の規模要件(資本金/従業員 等)
の組合せで、“その取引が”対象となるかが判断されます。
- 典型例として、製造・修理・情報成果物作成・役務提供・特定運送などの委託取引が整理されています。
- いわゆる規格品の購入など「単なる売買」は通常、委託に当たりにくい一方で、仕様指定、加工・刻印、成果物作成、付随作業が入ると「委託」になり得ます(契約名ではなく実態で整理されます)。
2. 発注側で特に優先して確認したい「支払」の2点
公正取引委員会の注意喚起資料では、代金に関する新たなルールとして、以下が明確に示されています。
(1) 支払期日:受領(役務は提供完了)から60日以内が基本
発注側は、受領日(役務提供は提供完了日)から起算して60日以内で支払期日を設定し、期日までに支払うことが基本となります。 あわせて、手形等により実質的に資金化が遅れる支払は問題となり得るため、支払方法の運用も含めてご確認ください。
(2) 振込手数料の差し引き:合意があっても「減額」として違反になり得ます
中小受託事業者との合意の有無にかかわらず、振込手数料を受注側に負担させ、代金から差し引くことは「減額」に該当し違反になる旨が示されています。
3. 10分セルフチェック(発注側・受注側 共通)
次の項目に「NO」がある場合、早めの条件見直し・運用整備をご検討ください。
- 受領(役務は提供完了)から支払期日までが60日を超えていない
- 手形等で実質的に支払(資金化)が先延ばしになっていない
- 振込手数料を代金から差し引いていない
- 発注内容・単価・検収・支払条件など、重要条件が書面/メール等で確認できる形になっている(口頭のみで条件が残らない取引がない)
