
千葉 雅司
昨今、長らく続いてきたデフレからインフレへと社会への変化が誰の目にも明らかになってまいりました。インフレ社会とは現金そのままでは価値が目減りしていってしまう社会です。そこで金融資産形成がより重要になってくるわけですが、それを考えるうえで、「税金がどうなるのか」は多くの方が気になるポイントです。
2024年に始まった新NISAは、長期投資を後押しするために大きく改善された制度で、2026年の税制改正でも使いやすさがさらに高まる方向です。
一方で、暗号資産(ビットコインなど)は2027年から税制が大きく変わる予定で、こちらも注目されています。
ここでは、新NISAと暗号資産の今後の税制の動向について、概略をご紹介します。
新NISAは2024年より制度が大幅に拡充され、「非課税・無期限・拡充された投資枠」で、長期の資産形成に非常に使いやすい制度となっております。
非課税期間は無期限で、売却のタイミングを気にせず長期で資産を育てられます。
年間の投資枠は 360万円、生涯で使える非課税枠は 1,800万円 と、旧制度より大幅に拡大されました。
2026年の税制改正では、未成年でも利用できるつみたて枠の創設や、対象商品の拡大、手続きの簡素化など、利用者にとって便利になる方向が示されています。
暗号資産の税金は、これまで「総合課税」と呼ばれる方式で、給与などと合算され、所得が多いほど税率が上がる仕組みでした。最大で55%になることもあり、投資家にとって負担が大きい制度でした。
2027年からは、暗号資産の売買で得た利益が20%の分離課税になる方向が示されています。株式や投資信託と同じ扱いになるため、税金がわかりやすくなり、負担も軽くなる方が増えると考えられます。
ただし、この分離課税はすべての暗号資産に自動的に適用されるわけではありません。
対象となるのは、主に国内の登録済み交換業者で売買した暗号資産です。海外の取引所や分散型取引所(DEX)での取引は対象外になる可能性があります。
また、売買益は分離課税になりますが、
ステーキングの報酬、レンディングの利息、マイニング報酬、NFTの売買益
などは、これまで通り「雑所得」として扱われる見込みです。
さらに、2027年からは暗号資産の損失を 3年間繰り越して控除できる ようになります。ただし、この制度を使うには毎年の確定申告が必要です。
特に「暗号資産が全部20%になる」という誤解が多いため、国内交換業者での売買が中心であることを押さえておくと安心です。
制度の違いを理解しておくことで、より賢く、安心して資産形成を進めてまいりましょう。
