税理士法人とどろき会計事務所
稲田 泰行
事業承継に関する話題に注目が集まっています。ご存じの方も多いかとは思いますが背景としては2025年問題に代表される超高齢化社会が挙げられます。
近年の急速な高齢化に伴って中小企業経営者の年齢のピークも年々高くなってきています。そのような状況の中、近い将来多くの企業が事業承継するのか廃業するのか選択を迫られることになるでしょう。
親族間での事業承継に焦点を絞った事業承継税制に続き、経済産業省が第三者への事業承継(いわゆるM&A)の促進に関する税制措置の要望を出したとの記事も目にしました。
事業承継においては後継者問題や社内のこれまで培ってきたノウハウ、技術等の承継、相続税に代表される税金の問題など様々な問題が複合的に発生するためなかなか進んでいないのが現状かと思います。日々の業務の中では、優先度が低いことや、上記のように事業承継については取り組むべき課題が多いため後回しにしがちであることも進まない要因の一つと言えます。
私も事業承継に関するセミナーで講師をさせて頂く機会が増えてきましたが、何から手を付けていいか分からない、納税資金が足りるか心配等の不安を抱えている方が多いのを実感しています。
そのような悩みをお持ちの方にご提案があります。最初に会社の株価を確認なさってはいかがでしょうか。自社の株価を把握していていない会社のオーナー様は意外に多いものです。
事業承継税制の特例制度が創設され、この適用を受ければ自社株に対する納税は無くなると誤解されている方がいますがそうではありません。あくまで納税猶予になりますので、猶予取消しに該当すればその時点で利子税を含んだ多額の納税が生じる可能性もあります。そのためリスクを最小限に抑えるには株価対策が必須となります。
株価算定を行い現状が分かれば対策が必要なのか不要なのかの判断も可能です。漠然と不安を抱えているよりは一度会社の株価を算定してみてはいかがでしょうか。