社長の決断

野曽木 尊之

 社長の決断は、会社の命運を左右するため非常に大事なことです。決断とは意志を持ってはっきりと決定することなので、会社にとっての意志とは社長の意志に他なりません。頼れるのは己自身のみで他力本願では経営は成り立ちません。会社の業績が悪化するのは、新型コロナや円安のような外部環境のせいでも従業員のせいでもなく、社長自身のせいだと心得てください。

 会社には事業からの撤退、新規事業の立ち上げ、社員教育、社員の採用、銀行借り入れなど、大小さまざまな経営上の問題が起こりえます。社長はその時々で即断即決が求められてきます。もしその決断が遅かったり、決断ができないと業績は悪化してしまうでしょう。

 即断即決が出来ない理由としては、主に4つ挙げられるでしょう。

①損することを恐れるから

②間違えることを恐れるから

③結論より先に方法を考えてしまうから

④経験値が少ないから

 上記のことを克服するには、このように考えなくてはなりません。

①損することを恐れるから

目先の損に目がいきがちですが、将来の投資をないがしろにしない。長期的な目線で物事を判断する。

②間違えることを恐れるから

最初からミスを恐れてしまい、正解を見つけてから判断しようとはしない。先ずは行動を起こし臨機応変に対処する。トライアンドエラーこそが、結果的に正解への近道だと思います。

③結論より先に方法を考えてしまうから

お金がないから出来ないなど、方法から考えるとできない理由しか浮かんできません。いつまでにやるといった結論 を先に決める。この方が実効性は高くなるでしょう。

④経験値が少ないから

誰しも最初から経験値が多い経営者はいません。チャレンジしてみて失敗したら軌道修正をする。この繰り返しでしか経験値を上げることはできません。

 このように経営者には重圧が重くのしかかってきます。一から自分一人で解決できることは少ないでしょう。それは経験値が少ないからしようがありません。ですが、経営者として成功している人の真似をすることはできるはずです。現在ではこの手の実体験を手に取ることはた易い世の中です。人の真似を試行錯誤していけば、それは自分自身のオリジナルへと昇華するはずです。

 ニデック創業者・永守重信さんの言葉で心に響いた言葉があります。「努力と我慢で奇跡を呼ぶ」です。今の時代では、何とかハラスメントと言われかねないですが、この言葉は確かにそうだなと納得させられました。「自分の能力を自分で決めてはいけない。絶対にギブアップをしてはいけない。簡単にギブアップすることが、自分のレベルを下げる。諦めたら終わり。ほとんどのことは出来る。どんな人も成功する。努力、努力、努力、我慢、我慢、我慢。人生は奇跡を呼ぶためにある。」「努力」と「我慢」が持つ意味は、人それぞれだと思いますので、自分が思う「努力」と「我慢」で奇跡を呼びたいものですね。

  • URLをコピーしました!
目次