税理士法人とどろき会計事務所
河内 智哉
弊社に出戻って10年が経ちました。
私は過去に、弊社で1年間アルバイトをしていました。その後、他の事務所で5年間勤務し、今度は社員として戻ってきました。
戻った理由の一つは所長との繋がりでした。アルバイトを辞める時に、所長から「私から連絡はしないが、何かあれば連絡しておいで。」と言われました。当時は、今後所長に連絡することなどないだろうと思っていました。
アルバイトをしていた頃の弊社は、スタッフ全員と年賀状のやり取りをしていました。退職後も所長へ年賀状だけは出しており、退職してから2年目の年賀状に「税理士試験官報合格しました。」と書きました。
その後のある日、連絡が来ることなんてあり得ないと思っていた所長から電話がありました。「官報合格おめでとう。一緒にお祝いしよう。」と言った内容でした。とても嬉しかったのを今でも覚えています。それからは、私からも所長へ連絡するようになり、いつの間にか飲み仲間のような存在となっていました。
10年前に進路を考えていた際、所長から「うちへ戻って来ないか。」と言われました。一度退職した人間にこのようなことを言ってもらえるのは、とても有難く嬉しいことでした。また、アルバイト当時から知っている人もまだ多数在籍しており、前と同じような環境で働けることが想像できたので、出戻ることを決意しました。その後、居心地が良かったこともあり、気が付いたら早10年間働いています。
弊社には私のような出戻り社員が他にも数名います。当時、出戻り社員は珍しいと思っていましたが、この様なケースは他の業界でもあるそうで、今では珍しいことではないかも知れません。
税理士は転職の多い業界です。弊社でも入社して3年位経つと退職する人が出てきます。他の職場も経験した上で、また元の職場が良いなと感じ、戻ってきてくれる人が今後も現れれば有難いです。
どの業界も人材確保に苦労する時代です。過去に働いていた人に声をかけてみることを採用活動の一選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。