税理士法人とどろき会計事務所
河内 智哉
「あの会社はブラックだね。」と、世間で言うことがあります。では、「ブラック企業」とは、どのような会社を言うのでしょうか。「ブラック企業」という定義があるわけではありませんが、厚生労働省のホームページを見ると、一般的な特徴として、① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行し企業全体のコンプライアンス意識が低い などが挙げられます。あなたの会社は該当していませんでしょうか。
人手不足の現代において、企業の業務改善努力はより一層重要視されています。私共の事務所も他なりません。残業問題に対し、この一年、業務改善や職場改革に取り組んで参りました。
残業問題の取り組みでよくあるのが、職場の上司が、「早く帰りなさい。」とか「もう○○時だよ。」などと言って部下の帰社を急かしたり、オフィス内を消灯して残業させないようにする会社。仕事が終わらない従業員は、自宅に仕事を持ち帰り、深夜まで続きを行ったり・・・これでは、根本的な解決にはなりません。
私共の事務所では、事務所で定めた時刻までに帰社すると、一定の手当がもらえる制度ができました。自主的に帰社を促す制度です。また、どうすれば業務の時間短縮ができるかについてグループで話し合い、必要に応じて他部署との連携を図りました。そして、できるところから少しずつ業務改善に取り組みました。その成果もあり、前年の同時期に比べ、遅くまで残業する従業員が少なくなりました。早く帰社することで空いた時間は、飲みに行ったり、資格取得や自己啓発など勉強の時間に充てたり、家族サービスをしたりと、皆有意義に過ごしています。
私の場合、ウォーキングしたり、今年産まれた娘と過ごす有意義な時間に充てています。「ブラック企業」に勤めていたら難しかったでしょう。家族や友人に事務所の話をすると、「良い会社だね。」と言われます。
今は上場企業でも人材採用が困難な時代です。中小企業はそれ以上に困難になってきています。中小企業が「ブラック企業」なら人を採れず、今後生き残れないかもしれません。従業員に帰社を促す職場ではなく、従業員が自主的に帰社する職場が今後増えていくことを願います。
今年は業務改善ができた年でありました。来年は改善した時間を有効に使って新しいことに挑戦したいと思います。